がん

がんは今や、わが国では一生のうち2人に1人がかかると言われています。これに対して、現代医学ではがんの病巣を部分的にとらえて、抗がん剤、放射線、手術による、ピンポイント的の治療が体勢を占めています。
何病であれ、現代医学の部分的治療に対して、全人的の治療が漢方の特長であることは、これまでのサイトで再三再四にわたって述べて来ました。がんに対しても同じことです。
がんも陰性と陽性に分別されます。陰性がんは緩やかに進行しますが、陽性のがんは急速に悪化します。これまで、がん治療は現代医学が優先され、漢方の出番は無きに等しく、予防、検診、診療、緩和医療の、がん治療四本柱のうちの緩和ケアに、補陽の剤が僅かに利用されていたに過ぎません。
しかしながら、強力な補陽である即応補陽が可能になったとなると、がん治療の選択肢は漢方へも大いに広がります。これは現代医学には乏しい、現代医学の盲点とも言える、全人的医療の極め付きのものです。即応補陽とはそれほどの、画期的な治療法なのです。
陰性がんは、まさに「陰多くして陽少なし」の現象であり、末期はその甚だしい「亡陽」です。はじめは陽に発した陽性がんも、末期ともなれば陰性に移行します。これも自然の成り行きです。こうした陽不足の現象には、薬よりも栄養よりも優先されるのは、陽(気・エネルギー)を補うことです。
このことによって、がん治療中の、あるいは末期の、QOL(生活の質)の高まり、免疫力の高まりが「即応」なのです。