肩こりと漢方|川口市の漢方外来は養神堂クリニック

漢方専門医対応・電話相談OK・薬の宅配OK

養神堂クリニック

診療受付

  • 火・木
    10:00~16:00
  • 詳しく見る
  • アクセス
  • 0482261600

様々な症状と漢方

肩こりと漢方

西洋医学では、「肩こり」は診断名ではなく症候名であります。一群の症状の一つに過ぎません。どう言うことかと申しますと、「肩こり」を生じる原因は一つではなく、あるときは筋肉の疲労であったり、またあるときは血管の循環障害であったり、あるいは、内臓の障害により派生したりもすると言うことです。なので、西洋医学的に原因となる病気が明らかであれば、治療法もはっきりとして済むのですが。仮に西洋医学的な検査では異常が見つからない場合、根本的な解決にならないこともしばしばであります。

 

それに対して、病名には拘らずに、初めから「肩こり」という症状の根本的原因から治療に入っていくのが漢方医学の特徴であります。もともと「肩こり」という言葉自体も夏目漱石が小説の中で造り出したものであり、「肩こり」は日本にしかない独特の表現なのです。つまり、西洋医学が「肩こり」を扱おうとしても、どうしても対症療法となってしまい勝ちです。一方、漢方医学では肩こりを「項背の強ばり」として、夏目漱石が表現する遙か昔から、その治療を行ってきた歴史があるのです。葛根湯を初めとした、個人個人の体質に合わせた漢方薬がございます。

 

巷間、古きより、「肩こりに葛根湯」と言われています。とは言え、肩こりなら誰にでも葛根湯というわけにはいきません。このことは、漢方のすべての薬方について言えることです。化学薬品とは用い方が異なるのです。

 

その訳は、肩こりという症状にも陰陽の別があり、それを訴える人にも虚実の別があるからです。漢方治療の特長は先に触れましたが、陰陽と虚実という物差しで測ったその人全体の歪(ひず)みを正すことで、部分の病変は治療に導かれるということです。

 

したがって、肩こりに対しても数多の用薬があります。たとえば、右肩のこりで夜間には非常に痛むといった症状の多くは、脾胃の虚労(ひいのきょろう)と言って、消化器系統の機能低下に基づく生命力の減退であることから、特に胃を温める働きの補陽の剤が劇的に効きます。

 

このように、ただ肩こりといっても、部分としてでなく、その拠って来たる要因─全体像の歪みを正すことが根本的治療になるわけです。

ページトップへ戻る