アトピー性皮膚炎と漢方

本症に対しては、当医院でも非常に多くの症例を経験しています。漢方治療の眼目は、いわゆるアレルギー体質と言われる過敏症の改善です。このことをしないで、アレルゲンと呼ばれる過敏に反応する物質を避けることに汲々としても、問題の解決にはなりません。
何病であれ、すべて陰陽に分別されます。本症は殆どが陰に発し、相当に根深い陰性病です。故に当医院では、当初から即応補陽を決め手としています。従来の漢方の用薬では時日がかかり、中途半端になることが多いからです。
この治療法では、瞑眩(めんけん─好転反応)が必発しますので、のみ量を加減しながら、だましだまし行っていかなければなりません。それほど本症は厄介な陰の現象なのです。