心臓病

漢方では「心肺の虚労」と言って、循環器系統と呼吸器系統を一括(ひとくく)りにした虚労を対象に、数多の漢方が用意されています。
漢方の視点からは、心臓病は、はじめは陽に発したものもありますが、おしなべて「陰多くして陽少なし」の陰性病です。狭心症や心筋梗塞の果てである心不全は、典型的な「亡陽」の現象なのです。
この故に、すべての心臓病─それが器質的な病変であれ、機能的なそれであれ、何れであっても、即応補陽が優先されるのです。いのちもうけは、大いなる陽の取り入れという、大自然の生きとし生けるものを生かす摂理によって、確かなものとなります。