結膜炎・白内障・緑内障・老人性網膜黄斑部変性症
眼病も部分の病気と思われがちですが、漢方の診方(みかた)からは、やはり全人的な治療となります。たとえば、よくある眼の充血に対しても、その人の全体が問題です。虚熱によるものなのか、実熱によるものなのかによって、それぞれに向く薬方が用意されています。
白内障の「白」も、緑内障の「緑」も、いみじくも、陰性病であることの象徴です。老人性網膜黄斑部変性症の「黄」は陽性を示す色です。それが変性するというのは陰への変性を物語るものです。
以上のことから、これらは皆、「陰多くして陽少なし」の陰病であるということです。単なる部分の病気ではなく、加齢に伴う全人的の虚労の病(やまい)なのです。よって不足の陽を補う─補陽が良いことは言うまでもありません。