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様々な症状と漢方

肥満症と漢方

漢方では、肥満の原因は「食べ過ぎと運動不足」だけでなく、「体質」にも問題があると考えています。肥満を生む体質には、「脾胃」のはたらきが関係しています。脾胃は、飲食物を消化吸収し、代謝するはたらきがある臓腑です。現代的な胃腸のはたらきだけでなく、からだ全体のエネルギーを作り出していく大切な役割を担っていると考えられています。

 

脾胃が強く、消化・吸収・代謝のはたらきがすぐれていれば、食べ物をとりすぎても容易に太ることはありません。例えば、スポーツ選手の多くは普通の人よりもたくさん食べますが、肥満の人はあまり見かけません。それは運動をしていることによって、基礎代謝能力が備わっているからです。しかし、普通の人がスポーツ選手と同じような食事を摂り続け、その人がもっている脾胃のはたらきを上回ってしまうと、代謝しきれない栄養物が体脂肪としてからだ中に蓄積されてしまいます。

 

一方で、食が細く、あまり食べない人が太ってしまうことがあります。こうした食の細い人は、体質的に脾胃が弱いと考えられます。消化吸収機能が低下していると、食べる量は少なくても日常的に代謝障害を起こし、からだ中に余分な水分が溜まってしまうのです。

 

このようなことから、肥満については脾胃のはたらきを高めることが、漢方治療のポイントになります。

 

本症に対しても、漢方では陰陽と虚実に分類して対処しています。色白で柔らかい肥り方。汗をかきやすく、水肥り体質の肥満症は虚のタイプです。血色が良く、引き締まった固太りは実タイプです。前者は陰に発した肥満症であり、後者は陽に発した肥満症と言えます。

 

ひとくちに肥満と言っても、漢方の診方(みかた)からは、陰陽・虚実という相対的な現象に分別されます。したがって、治療法も補と泻(しゃ)に分かれます。

 

すなわち、前者に対しては不足の陽を補うことによって、体表(体の表面、皮膚の内側)の水(陰)を駆逐することで、肥満が改善されます。同時に、この体質に起こりがちな、疲れやすい、身体が重い、多汗、気うつ、膝関節炎、腎炎なども改善されます。

 

そして、後者に対しては泻(しゃ)剤が用いられます。「泻」とは有余を除くの意です。充実タイプの肥満症には大効があります。ただし、陽(気・エネルギー)をも泻しますから、前者の虚タイプの肥満症には用いません。肥満症も他の疾病と同じく、一様(いちよう)にはいかないのです。巷間、制限食のダイエットで身体を損ねたという声を耳にするのは、こうした陰陽と虚実を知ってか、知らないでか、逆治(間違った治療法)は大害があります。

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